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2023.06.14
KAKAが小さい家をつくった理由
こんにちは。6月も残りわずかになりましたね。不安定な天候が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。体調を崩されないよう、気をつけてくださいね。
KAKAの事務所には、建築や家具、インテリアなど家づくりに関するいろいろな本が置いてあります。オーナーさまやお打ち合わせ中の方には貸出も行っていますので、気になる書籍や雑誌がありましたらお声がけください○
今回は、そんなKAKAの本棚にある一冊をご紹介したいと思います。
フィンランドで活躍するテキスタイルデザイナー、イラストレーターの島塚絵里さんの著書で、15年以上過ごした現地での暮らしを、文章と写真で綴っています。
幸福度ランキングで6年連続一位に選ばれたフィンランド。仕事・子育て・地域との関係、自然とともにある生活。無理せず自分らしく生きるフィンランド人の暮らしから、「幸せってなんだろう?」という問いへのヒントを見つけることができる一冊だと思います。カラフルなページは、パラパラとめくるだけでも楽しいですよ。
その中から、印象的な箇所をご紹介させていただきますね。
「近所づきあい」
今のテラスハウスでは、突然電話がかかってきて、「今日、息子が一緒に遊びたいと言っているけれど、予定はどう?」ということも。ご近所さんとの距離がぐっと縮まった印象です。同じ棟に住んでいる子供の誕生日会の時も、「明日の誕生日会のために、冷凍菓子パンを買ったんだけど、うちの冷蔵庫に入りきらなくて…。冷蔵庫にスペースあるかしら?」と前日に連絡が。小さい子供がいる家庭も多く、みんなで一緒に見守って育てるというコミュニティの雰囲気がとても気に入っています。
文中に「コミュニティ」というワードが出てきましたが、これは最近のKAKAがとくに関心を寄せている分野です。
地域のコミュニティ、と聞くと、どんな印象を持たれるでしょうか。町内会、子ども会、青年団…。皆さんも、何らかのコミュニティに所属されていると思います。引っ越しをすると、加入の案内をもらうこともありますね。地域コミュニティとは、簡単に言うと「近所どうしのつながり」のこと。近年はこの「つながり」が希薄になっていて、ご近所さんでも挨拶しない、隣に住んでいる人もよく知らない、という状況も見られるようです。町内会や子ども会への加入なんて、できるだけ避けたい…と考える方も一定数いらっしゃると思います。
確かに、そう思われるのも理解できます。私事ですが、わが家は今年PTA役員と子ども会の代表役員を担っていて、ある程度の時間や手間はとられています。意外とやることが多くて、年間スケジュールを見てひるんだのも正直なところです(苦笑)。
それでも、これまで関わることのなかった方とつながることができ、子どもたちの様子を今まで以上に知ることができ、私としてはメリットの方が多かったな、と感じています。そして、今まで気づかなかったけれど、地域にはさまざまな形で住民や子どもたちの見守りやサポートをしてくださる方がいたのだということを知れた。それが何よりも大きかったです。
家づくりは地域づくりでもあります。町内会や子ども会とは別に、KAKAならではの「人と人とのつながり」を生み出すことをしていきたい。それは、この地域で住宅を建てているものの責任・使命でもあると感じています。ただ家を建てておしまい、ではあまりにも無責任です。
ひと昔前は、ごく自然に、ご近所さんが様子を気にかけてくれていたり、子どもを見守ってくれたりしていました。
それが今では、アルミフェンスの門や塀、コンクリートのそびえ立つような壁に囲まれて、外部とのかかわりを遮断しているような住宅地も見られます。近所の人とすれ違っても、挨拶を交わすことはありません。このような風景のなかで育った子どもたちは、どんな影響を受けて、どんな価値観を持った大人になっていくのでしょうか。
北欧の片田舎みたいな小さいコミュニティ。私たちは家づくりを通して、そんな気楽な人間味のある関係性をつくっていきたいと考えています。
壁のない、いい意味で適当な、愛嬌のあるコミュニティ。今後のイベントでは、ふらっと遊びに来て、家族のようにくつろげるようなものを企画していきたいと思っています。(さっそくですが、来月はモーニングKAKA第二弾を開催しますので、お楽しみに!)
そしてもう一つ。KAKAのイベントでは、楽しんでいる大人たちの姿を子どもに見せたい、という思いがあります。
ここに来ると、お父さんお母さんがいつも笑顔だな、楽しそうだな、こういう場所って存在するんだな、そんな風に思ってもらえたら…。ほんの小さな希望くらいは、未来を生きる子どもたちに手渡せるのではないかな、と考えています。
家づくりをされている方は、小さなお子さん連れの方が多いですよね。皆さん毎日子育てや家事、仕事を一生懸命されています。自分のために使う時間がどれだけあるでしょうか。小さな子どもを抱えてがんばるお母さんたちは、時に孤独になりがちです。先ほど紹介した本の一節にもありましたが、「みんなで一緒に見守って育てるというコミュニティ」が身近にあれば、そういった方の気持ちを少しでも軽くすることができるかもしれません。
「人と人とのつながり」の中に居る=居場所があるということは、人間にとって、とても大切なことで、根源的な欲求だと思うのです。
『フィンランドで気づいた小さな幸せ365日』の中で、いいなと思った部分を、もう一つご紹介します。
「もっと素敵に!」
娘の友人の親は前向きな声かけが上手。子供が危なっかしく動いていると、「危ない」ではなくて、「上手にね」と言っていることに気がつきました。「上手にね」の方が、ポジティブで、その子の自主性を重んじているなあと感心したのでした。(中略)だらしなくしたり、汚いことをしている時も「やめなさい、そんな汚いこと」ではなく、「もっと素敵にしなさい」と声をかけるのです。日々、学ぶことばかりです。
どうでしょうか。素敵な声かけですよね。ついつい我が子に「○○はしちゃだめ!」と言ってしまう自分を省みて、日々使う単語も、ポジティブな言葉に変えていくことを意識してみようと思いました。
それから、「失敗に寛容」というタイトルもありました。フィンランドは褒めて伸ばす教育方針が一般的で、人前でも子どもをけなす言葉を聞かないそうです。仕事で何か失敗しても叱られることはほぼなく、「そういうこともあるよ」と理解を示してくれることが多かったとも書かれていました。
ここでも、「声かけ」や「言葉」の力を感じます。人生、失敗はつきもので、失敗したらどうしていくかが大切。そんな姿こそ、子どもたちに見せていきたいですし、そこから学んでいってほしいと思います。
寛容さを持ち、お互いに尊重しあえること。ここに、幸福度の高さを維持し続けている秘訣があるように思います。社会保障制度や育児や教育のサポート、政治の多様性。それにともなう人生の選択の自由度。今すぐ日本が同じようにできるかというと難しい面もありますが、日本がフィンランドに学べるところはたくさんあると感じます。
日本のデンマークとよばれる安城市。その安城にあるKAKA。日本の良いところと、北欧の国の幸福度を感じられる暮らし。それらをちょうどいい感じに融合させて、具現化させていきたいと考えています。KAKAのミッションである、「幸せを想像し、ゆたかな暮らしを創造する」を軸として。
KAKAとご縁のあった方に「より良い暮らし方、生き方」をご提案できるようなイベント、今後も企画していきますので、楽しみにしていてくださいね。
▼直近のイベントはこちら▼
・【7/8開催】KAKAの家づくり学校
・【7/16開催】北欧の暮らし講座
それではまた。西三河を中心に、安城市・刈谷市・高浜市・岡崎市・西尾市で注文住宅、新築一戸建てを手掛けるKAKAの今井でした。