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2022.08.24
デザインって? ~20代での家づくりを失敗した建築士の話~
こんにちは、KAKAの今井です。
コラムを書き始めて3回目になりました。今回は、自分自身のことも紹介しつつ、KAKAが大切にしている価値観についてお伝えしたいと思います。
私は小さいころから本屋さんや図書館で過ごすのが好きでした。読書が趣味というよりも、「本」そのものが好きで、それがたくさん並べられている空間にいることに幸せを感じていました。文章を書くのも好きでしたので、小中学校時代は友だちと交換日記をしたり、文通をしていたことを思い出します。
大学は文学部へ進み、少しでも本に関われたらと印刷会社へ就職。その後、司書の資格を取得し図書館で働きましたが、紆余曲折あり転職を経て結婚、出産。仕事と家事、育児のバランスに悩みながら過ごす日々のなか、縁あってKAKAで働くことに。そして今、こうしてコラムを書いたり、KAKAのことを知ってもらうための発信をする仕事をしています。ちなみにマイホームはKAKAに建ててもらいました。
心地よい音楽をBGMに、庭を眺めながらゆったりした気持ちで働いていると、ふと、数年前には想像もしなかった場所にいるな…と不思議な感覚になります。
突然ですが、「風の時代」という言葉を聞いたことはありますか? 占星術の世界の話ですが、その分野に詳しくない私でも、2020年の終わり頃からよく耳にするようになりました。簡単にいうと、それまで200年以上続いていた「地の時代」が終わり、「風の時代」に突入した、ということのようです。
「地の時代」が象徴しているのは、物質的な豊かさや生産性、安定。大量にモノを作り、所有し、経済を発展させ、一流大学、企業に勤め、定年まで働くことが人生の勝ち組とされていた時代です。一方「風の時代」は、情報、体験といった目に見えない豊かさに価値を置き、組織よりも「個」が注目され、横のつながりが大切になってくるのだそうです。
…みなさん、ご自分と照らし合わせてみて、いかがでしょうか? 私は、まさに「風の時代」の流れを受けて、今KAKAでこのような仕事をしているのだと思えてなりません。
子育てに追われ、自分のことは後回し。達成感のないまま毎日があっという間に過ぎていく。新型ウイルスが世の中を騒がせ、思うように働くことができない。そしてますます先が見えなくなる。あの頃は、「自分の本来やりたいこと」なんて考える余裕はありませんでした。けれど、KAKAのスタッフとして働くなかで、本当にやりたいことはこれだった!と自分の中に眠っていた「軸」を見つけ出したような感覚です。縁あってのことですが、流れに乗ってたどり着いた場所。人生はままならないことも多いですが、先の見えないこんな時代だからこそ、直観を信じ、かろやかに動いてみるのもいいのかもしれません。
KAKAが大切にしている3つの柱は「幸せで、健康で、文化的」。それは、「生産性」や「効率」の向こうにあるものです。もちろん生命に関わる暑さ寒さ対策や、耐震などの基本的な性能は大事にしていますが、本来人というのは、好きな景色やモノに囲まれ、心地よい場所で大切な人と過ごしたいと願っているのではないでしょうか。
忙しい現代、どうしても「時短」や「効率のよさ」を優先したくなるのは無理もありません。ですが、それらは手段であって目的ではないと思うのです。お気に入りのうつわを手洗いする時間に幸せを感じるかもしれないし、お掃除ロボットではなく箒で掃いてきれいにするのも、本人が心地よさを感じるのであれば、素敵な暮らしだと思います。
代表の長谷は、こういった話をよく社内ミーティングで語っています。「人生は短い。第2領域(※)を見据えて動こう」「価値観のパラダイムシフトが必要。お客さまには、そこを伝えたい」などなど。
※書籍『7つの習慣』より
オーナーさまや、KAKAに来られたことのある方は、聞いたことがあるかもしれませんね。私たちスタッフも何度も何度も聞いていますが(笑)、それでも実践するのは難しく、常に自分を成長させ続けることが課題であると感じています。
けれど、このような信念のもとに家づくりをしているKAKAは、今のこの時代において、人が「本当はこうやって暮らしたい」と漠然と心の奥底で思っていることを掬い出し、叶えられる会社だと思います。
「生産性」や「効率」を重んじる流れには乗っていないので、年に何棟も建てることはしていませんが、こういった価値観を共有できる方とは、深く長~くお付き合いできるのではと思っています。家づくりは建ててからがスタートですから。
KAKAの家づくりへの姿勢や思いに触れるにつれ、いちスタッフとして、またオーナーとして、KAKAはこの時代の流れとともにある会社だ、という感覚が強くなってきています。それは、狙ってできることではないので、まさに時代とKAKAの理念がフィットしている、ということだと思いますし、KAKAが求められているのは、そういう「在り方」なんじゃないかと感じています。
なんだかふわふわしたことを言っているな、現実はそんなに甘くないよと感じられたかもしれませんが…よろしければ、一度KAKAに来て、庭を眺めながらコーヒーでも飲んでいってください。こういう暮らし方もありなんだな、実現可能なんだな、と思っていただけるかと思います。
KAKAに来て、ご自分にとっての「心地よさのものさし」を見つけていただけたら嬉しいです。