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2025.07.31
夏季休業のお知らせ
こんにちは。日中も涼しくなってきて、外に出るのが楽しい季節になりましたね。先日散歩をしていたら、今年初めて金木犀の香りをキャッチしました。秋分の日を迎えて、あんなに暑かった夏が終わり、ちゃんと秋に移り変わっているんだなあと、しみじみ感じる今日この頃です。
過ごしやすくなってきて嬉しい反面、季節の変わり目は体調を崩しやすいので、皆さんお気をつけくださいね。
コラム本編の前に、このことをお伝えさせてください。この夏、KAKA史上に残るであろう出来事がありました。
KAKAのロゴを描いていただいている、イラストレーターで版画家の平澤まりこさんが、なんとKAKAの事務所まで来てくださったのです!
ルンドビレッジ内やKAKAのモデルハウスをご案内して、KAKAの家づくりへの想いやこれからの展望もたくさんお伝えさせていただきました。もう私は前日からそわそわしっぱなしで、同じ空間にいるというだけで緊張…! ですが、平澤さんはとってもあたたかく接してくださって、これまでのご自身の体験談や、住まいや北欧にまつわるエピソードなど、興味深いお話をたくさん聞かせてくださいました。(そう、平澤さん、お話もものすごくお上手なのです…!)
個人的には、平澤さんがされている音声配信Voicyのことをお聞きできたのが嬉しかったです。KAKAのyoutube「スペッテカーカでおしゃべりラジオ」でも、この日のことをお話させていただきましたので、よかったら聴いてみてくださいね!
夢のような時間があっという間に過ぎて、興奮冷めやらぬスタッフたちでしたが、あることに気づきました。そう、平澤さんと一緒の写真を撮り忘れてしまったのです…! いかにもKAKAらしいといいますか…涙 でもきっとまたお会いできるはず。その時まで、今回平澤さんからいただいた刺激を自身の成長に繋げていきたいと思います。はるばる安城までお越しくださった平澤さん、本当にありがとうございました!
さて、久しぶりのコラムとなります。最近、KAKAのモデルハウスには「小さな家」に興味を持たれた方が多く訪れてくださっています。雑誌『&Premium』で小さな家が特集されていたこともあり、あらためてこの価値観が時代にフィットしているのかなと感じています。数年前、このコンセプトに取り組んでおいてよかったねとスタッフで話しています。
もちろん、お客様の中には大きな家を希望して建てられる方もいらっしゃいます。私たちは、ただ「小さいのが素晴らしい」と言いたいわけではありません。「小さくてもいいんじゃないか」という一つの選択肢をご提案しています。
どうしてKAKAがこのような家づくりをするのか。それは、物価高が続き、給料がなかなか上がらないような厳しい時代に、それでも自分の家を持ちたいと希望を持つ方がいる。そんな方たちが、より良い人生を送るためのお手伝いをしたいと考えているからです。
お金や物質的なものは死ぬ時に持っていけません。それよりも大切なのは、心が満たされ、豊かだと感じられる時間そのもの。人生の終わりに「いい人生だったな」と思えること、それが何よりも価値のあることではないでしょうか。私たちは、内面的な豊かさを追求し、他人と比べず、自分の心の中で育める幸せを大切にしています。
KAKAに来るお客様は、心豊かな暮らしを求めている方々が多くいらっしゃいます。芸術や文化に触れ、心に彩りを与える時間を大切にしたい。そんな瞬間が続く人生を、家を通して実現したいと。それは小さな家でも十分に叶います。「豊かさ」は、家の大きさで決まるものではありません。そこに暮らす人々の美学や哲学が反映されるような家を、私たちはつくりたいと思っているんです。
この夏、北欧研修に参加したスタッフは、その街並みの美しさに大きな感銘を受けたようです。100年、150年と時を経た木造住宅が、周りの緑と見事に調和していて、そこを歩くだけで心が満たされたと話していました。
そこで暮らす彼らは、自然と共存し、ものを大切にする意識を高く持っています。ルンドビレッジのスタッフ、アンドレさんのご実家では、お母さんが使っていたおもちゃが飾られていたり、古いベビーカーを修理して使い続けたり。祖父母から受け継いだものを大切にする精神は、まさに「ものを大事にする」文化の表れですよね。
帰国後、KAKAスタッフは日本の雑然とした街並みに少しがっかりしてしまったようです。京都や奈良のような景観に配慮した地域は別として、多くの街は統一感がありません。といっても、KAKAの家づくりの目指すところは、日本の街並みを変えることではありません。この雑多な風景の中に、一軒でも豊かな暮らしを体現する家をつくり、そこからわずかでも良い影響が広がったらいいなと考えています。
私たちは、北欧の家をそのまま建てるわけではありません。北欧の人々の「生き方」や「暮らし方」というマインドを取り入れ、日本的に解釈して、日本人に似合うように「料理」して提供したいのです。外観だけではなく、その家で過ごす時間そのものが豊かになるような、プロセスを大切にしています。
ここで、一つお伝えしたいことがあります。日本人は「たくさんの人が買っているもの=良いもの」と考えがちではないでしょうか。けれど、それは本当に正しいことなのでしょうか。
例えば、カップラーメンは多くの人に買われ、そのシェアは圧倒的です。でも、それが高品質で体に良いものだとは誰も思っていませんよね。美味しいラーメン屋さんのラーメンよりも売れているからといって、カップラーメンが優れているわけではないのです。
同じように、家も大量生産されているから安心だとは限りません。本当に良いものは、自分自身の決断で選び、長く大切に使うべきです。北欧の人々のように、古いものを修理して使い続けることで、そこに愛着が湧き、そのものから多くを学ぶことができます。
私たちは、大量生産された「カップラーメン」のような家ではなく、「丁寧に仕込まれたひと皿」のような家をお届けしたいのです。
KAKAの家は、高性能な家づくりにこだわっています。けれど、それはあくまで豊かな暮らしを実現するための手段であり、「おまけ」です。
断熱・気密・換気といった性能は、健康で快適な生活を送るために欠かせません。ヒートショックの心配がなく、室内の空気も常にきれいに保たれています。外が猛暑でも極寒でも、家の中では薄い布団で快適に眠れる。これは私たちがお客様に提供できる、ごく当たり前のことです。
ただ、私たちは性能について大々的に語ることはしません。なぜなら、本当に大切なのは、その性能がベースにあることで叶う「豊かな暮らし」だからです。猫と一緒に窓から庭の木を眺め、好きな音楽を聴きながらコーヒーを飲む。そんなささやかな日常の幸せを、快適な家の中で送ってほしいのです。
これからもKAKAは新しい挑戦を続けていきます。北欧の要素を取り入れたアパートや、ヴィンテージ家具の販売など、実は水面下でいろいろなプロジェクトが始動しています。
中古の家具は、修復せずにお値打ちに提供することで、お客様自身が手を加えたり、傷を気にせず使ったりすることをご提案していきます。それはまさに、北欧の人々が実践している「ものを大切にする」という文化を体験していただくためです。
日本人の優しさや真面目さ、職人気質なところは、北欧の人々にも通じる素晴らしいものです。私たちは、先人たちが築き上げてきた日本の良さを大切にしながら、北欧から学んだ豊かな生き方や暮らし方を掛け合わせ、新しい時代の家づくりを提案していきたいと考えています。
私たちKAKAは、誰にでも受け入れられる「平均的な家」を目指しているわけではありません。カップラーメンにはなれないかもしれないけれど、一軒一軒に想いを込め、お客様の人生を豊かに彩るような家づくりを続けていきます。
地道な成長ではありますが、この挑戦を楽しんでいただけたら嬉しいです。お客様が自分自身や家族の幸せを体現するような家に出会えることを願って、これからも活動していきます。
今の時代に求められる、小さな家で実現する豊かな暮らし。予算や土地に限りがある方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは最大限の努力で、お客さまに合った「料理」をお届けしたいと思っています。
今回のお話に関連するこちらのコラム「KAKAが小さい家をつくった理由」も、よかったら読んでみてください。
10月4日には、「平屋モデルハウス見学会」を開催します。少しでも気になっているという方は、ぜひ一度KAKAにいらしてくださいね。
皆さんとお会いできる日を楽しみにしています!
それではまた。西三河を中心に、安城市・刈谷市・高浜市・岡崎市・西尾市で注文住宅、新築一戸建てを手掛けるKAKAの今井でした。