KAKA’s
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ニュース・コラム

スタッフ 2023.06.21

KAKAの設計担当をご紹介します

こんにちは。6月21日は夏至ですね。今年も半分が終わり、ここから日照時間がだんだん短くなっていくなんて、不思議な気分です。

さて、KAKAのホームページにはスタッフ紹介のページがありますが、ご覧いただいたことはありますか?
実は、今年からKAKAの新メンバーとして、一級建築士の有馬が加わっています。KAKAで家づくりをされる方は、やりとりさせていただく機会もあるかと思います。

そこで今回は、有馬の紹介をインタビュー形式でお送りしたいと思います。同時にKAKAのことも知っていただける内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。それではどうぞ。

さっそくですが、KAKAに入ってみてどうですか?

おもしろい会社ですね。KAKAには「住まうことを楽しくしよう」「本物の楽しさを見つけたい」というのが軸にあるなと感じます。
みんなが「好き」「良い」って思っているものって、社会の仕組みである程度コントロールされている可能性があると思ってて。幻想の世界で勝手に良いモノが決められていて、僕たちはそう思い込まされているんじゃないかと。僕はそれがちょっと嫌で。
でも、KAKAは本物や真実の追求をしているように見えて。本物の家づくりに近づいていくことを目指している会社だなっていうのは強く感じます。

家づくりで「良い」って思わされているものって、例えばどんなことでしょうか?

たとえば天井高。世間の感覚では「高い方が良い」っていう風潮が、なぜかあって。昔CMで、『大物を育てるには天井を高くすると良い』っていうフレーズがあったんです。それがいまだに刷り込まれていて、上手に抜け出せていない。家の紹介でも「広い!天井高い!明るい!」っていうのがポジティブな言葉として使われていて。本当のことはどうかわからないのに、みんな勝手に良いと思っている。まあ、大半の人がそうじゃないと経済活動が回らないっていうのは理解できるけど、なんとなく自分はそこから距離を置きたいって思っていて…。

昔からそういう感覚があったんですか?

いや、逆ですね。いろんな業種の仕事をしてきたあと、建築業界に来て。最初はわけも分からず、一般の人と同じ感覚でした。「広い、高い、明るい」が正義だって思って。
だけど、実際に完成した家を見ると、なにか違うんです。つくる前に思っていたことと、結果が。そんな経験が積み重なって、だんだん途中で「おかしいな」って違和感を抱くようになって。
たとえばものすごく広いリビングを設計しても、1、2年後に見に行くと、うまく使われていないんです。ソファの上に荷物が積まれていたり、テーブルの上に調味料が出しっぱなしだったり。住んでいる人はリビングのすみっこのせまい畳スペースにいたりする。結局広いリビング使われてないじゃんって。そういうことにも違和感がありましたね。

あと、最初のころはメーカーから貰うカタログを記憶するくらい覚えていて。それに詳しいのがこの業界の正義だと思っていたんです。でもなんとなく違和感を抱き始めて。次々に新しいものが出て、それをチェックして取り入れようとする自分が嫌で、疲れちゃったんです。もう少し、時代に流されないものを見つけようって思うようになってきて。

違和感を覚えて、少しずつ路線変更していったということですか?

いろんなきっかけがあるんですけど、過去に「予算がある」っていわれて設計した家があって。山の中に建てる予定の家で、めいっぱい力作をつくったんです。ところが、実際建てる段階になって実はそんなにお金をかけられないってことがわかって、設計は大変更。3分の2くらいの大きさの家になっちゃった。それがすごく残念で、少しすねてたんですけど(苦笑)、実際に完成した家の居間に腰かけたら感動しちゃて。窓からの景色のすばらしさに、すごい!と。と同時に、建築士の努力なんか、この景色には勝てないんだっていうことも思い知らされて。僕が必死で設計したあの間取りなんてどうでもよかったんだって。得意になって設計してたけど、頭をガツンとやられた気分でした。

僕がいわゆる「王道」から脇道にそれた理由はこのあたりにあると思います。凝ったプランを見せると喜んでもらえるけど、そうじゃなくて、カタチは普通だけど、感動させられるようなしかけをつくりたいなって。たとえば「この景色を見てるだけで幸せ」っていう感覚を、設計する時に取り入れたいと思っているんです。

設計するうえで、有馬さんが大切にしているところですね。

頭で考えるのも大事だけど、感動した景色とか瞬間をなるべく切り取って自分のなかのポケットに入れて、それをお家の中でつくり出す。一番大切にしていることは「目で見ること」ですね。何にもしない状態で時が過ごせて、満足できる空間がつくりたい。そこに座って半日景色だけを見ていても飽きない生活。そんな環境、山や海に行けばいくらでもあるけど、いかに住宅地で実現するか。それが目指すところですね。
住宅地なんて、家の前を不特定多数の人が歩くし、お隣の家にはエアコンの室外機や給湯器なんかがある。建てるには難しい場所なんです。でも、その中でも「希望」をその敷地から見つけて、最大限に取り入れていこうと思っています。

おいしい飲み物とおつまみがあって、音楽がさりげなく流れていて、風がふわーっと吹いて、甘い香りが漂って…それって夢のような場所ですよね。千年前にも高貴な方はやってたんだろうけど、平民はやれなかった。現代は誰でもできるのに、テーマパークとかショッピングモールとか、外に向かっていっちゃう。それは、家がゆたかで無いからだと思うんです。

KAKAのミッションのなかにある、「ゆたかな暮らし」とはズレを感じますね。

街には昼間からシャッターをおろしてる家もあるけれど、そうせざるを得ないんですよね、残念なことに。KAKAのこの場所にいると、自分の想いとマッチしているなと感じます。

設計していくなかで、他に心がけていることはありますか?

「移動すること」ですね。レストランなどのお店って、外からわくわくさせるしかけがあって中に引き込まれていくじゃないですか。住宅でも、あえてアプローチで木々の間を歩かせたり、っていうのは考えています。メインの空間も、上手に導くしかけをつくるように心がけていますね。

あとは「居心地の良さ」。天井の高さや、体に触れるもの。高いところと低いところ。明るいところと暗いところ。抜けとたまり。そういうのがバランスよくあるといいと思っています。

それから、人間も動物である、そのことを意識しています。動物は敵から身を守るため穴を掘って暮らしています。穴っていうのは、三方が閉じられている。囲まれているほうが本来落ち着くんです。
だから、開放的にするのであればその場所と方向をきちんと決めてあげる。それが居心地の良さに繋がっていくと思います。
人間が動物として持っている本能を理解しておかないと、住みにくいものをつくってしまう。住んでいて優しく、人間をフォローしてくれる家をつくりたいですね。

でも正直、五感が満たされるなら、住む所なんてどこでもいいとも思うんです。土の中でも、洞穴でもいい(笑)。逆に、大事なことが抜け落ちていたら、どんな高級素材で建てようが豪邸を建てようが、NG。
本末転倒の世の中で、大きい世間の常識にいかに抗うか…。僕がやれることなんてナイル川につまようじを1本立てるようなものかもしれません。でも、一緒に家づくりを共有した人の中には、つまようじが残る。その程度でいいんです。その想いが住む人の心とつくった家に残ったら嬉しいですね。

そんなに僕の人生も長いわけじゃないし、仕事できる時間も多くない。その中でどれだけ自分のつまようじを刺していくか。それが生きた証になるのかなと思っています。

ありがとうございました!

いかがでしたでしょうか。勤務中は踏み込んだ話をすることがないので、知らない一面を垣間見ることができて、とても興味深いインタビューでした。

穏やかで優しい空気をまとっている有馬。KAKAメンバーとなって半年ですが、ずっと前からいたかのように、すっかり馴染んでいます。それは、大切にしている価値観や考え方が、KAKAのそれと近いからなのかも知れません。

そしてなんと、有馬は建築士講座の講師も行っています。以前コラムで予告をしました『KAKAの家づくり学校』でも、家にまつわるお話をしてもらおうと考えています。ご興味のある方、お楽しみに!

それではまた。西三河を中心に、安城市・刈谷市・高浜市・岡崎市・西尾市で注文住宅、新築一戸建てを手掛けるKAKAの今井でした。

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